腰掛けると/
秋也
バウンドするボールは幾何的
接地面で潰れ
弾む
空に舞う 砂埃と極小の数字
僕には見えた
僕には聴こえた
子供たちの笑い声は高らかに構造物へと響き
反響して消えていく
ベンチで目を瞑る
赤く点滅する1と0で構成された芸術品に思いを馳せる
デジタルさえも郷愁だから
夕日なんていくら赤く染まろうとも
もはや何でもない
寂しいことではなく当り前
ベンチは木製でひたすらに冷たかった
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