詩の日めくり 二〇二二年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
兄と弟と妹と双子の兄妹がいた。弟が顔のない男を見た。弟が姿を消した。兄が顔のない男にけがをさせた。父母は人形になっていた。という不思議なお話。さいごは子供たちだけで街に出る。


二〇二二年十月十一日 「膝の痛み」


 いま市立病院から帰ってきた。3週間ほどまえから、右の膝が痛くて、痛み止めを飲んでごまかしたのだけれど、きょう行っておかないと、もっとひどくなると思って行ったのだった。レントゲンまで撮ってもらって診てもらったら、ただの炎症だって。湿布を貼ってたらそのうち痛みはなくなるでしょう、とのことだった。大げさに考えてたぼくが浅はかだった。きっと膝に水でも溜まっているのだと思ってた
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