爛れる月よ/
秋葉竹
黄昏の
駅に降り立つ、その瞬間、
瞳にきらめく夕陽の残光
昔から
闇へと向かう道が好き
あゝ、そんな癖、だけが抜けない
棄てるのは
昔を想い出す癖と
幸せだった「ヤツ」への追憶
次の人
捜す気もない人肌に
ただ寒さを知る、爛れたそのあと
冷たい目、
そんな悪ぶるものじゃない
月よ、心に涙を流すな
死なないよ
冷たい風と恋をして
悲鳴のような喘ぎで泣こうか
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