善光寺参り/山人
 
うことを提案したが、私は何キロも歩くわけではあるまいと歩いて向かった。通路にはたくさんの家族連れや年寄、私たちのような世代や日本びいきの外国人など、私は人いきれで嫌になったが、妻はそういうところに慣れているのか、比較的空いている、と言う。できれば過去に戻り、妻と子供たちとともに訪れたいと、胸が少し痛んだ。まずは巨大な香炉に線香一束をくべて煙を体にあびることから始まり、木像の体の部位を撫でては自分の悪い部分を触るという儀式、最後は本殿の賽銭箱に小銭を投げ込み合掌して終了という流れだった。
 帰り道を歩いていると、小さな子連れの家族が何組も居たが、子供数が少ないと感じた。子供発見作業に明け暮れていた
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