窓/soft_machine
 
最終便の窓に
輪郭をすて
崩れる夜をみつめ

泡だつ雲に
色をさがす音が
ビルの光にあつまる

Y字路で仔犬が
左右に別れたり
黒板に隠れた
誰かが消されるたび
触れたい、これに
もうこごえない

それとも
ふうせんの中
こほりと咳したくらいの
ささやかな赤さで
ひろがれたなら

乾きつく
空っぽに似せた感情
硝子の世界の朝


戻る   Point(1)