千尋/あらい
感じ取る
マテリアルの吃音は女心と秋の空に歪む
はねっかえりの鸚鵡は壁にお辞儀を重ね
ノイズを〈拾い上げた〉ものです
鉄紺を広げた孔雀のかいなは
昨日の夜は、深奥に塗り潰し
(わたしの空洞を汚さないで)
陰影の聖域で氷震を熾(お)している
憂いた船舶の心音が身を裂くような
鯨の腹から啼いている。不協和音、
これいじょうは いけないもの
閉ざしてこそ。意識だけが遠く
明星のたましい。赤道の近くに
氷山の隆起から 深く感覚に宿る
くらく なにも みえては いない
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