小箱のなかで/青色銀河団
 



光に濡れた
うつくしい響きのガラスの果実は
紙の野原で
練習帳をひらきます

朝のラインにそって
風をまなぶための
一冊の文法のノート


(それは小箱のなかのうつくしい霧の朝のように)







むかし雨の日に
海まで歩きました

一冊の文法のノートを携えて

(潮はどこまでもどこまでもあおく満ちていきました)






いつのまにか
風が止んでいました
音の郵便は
誰もいない蛍光ランプまで
もう届きません



あの
美しいひびきは
どこかしら
母に似てる気がしました



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