C / B/墨晶
l'impromptu
夜空に、勘違いをしたクロワッサンがさり氣なく輝いていたので、自轉車で深夜徘徊を決行することにした。念の爲、服を着て行こう。
夜風がバターの馨りがする Y / N
川?(かわべり)に沿って一台の飮料水の自動販賣機が
「ウイーン」と云い乍(なが)ら、低空飛行している。
そう、わたしは愛車、Tous les jours号でオーストリア、眞夜中のウイーンに辿り着いたのだ。
自販機が老獪な猫の樣に近づいてきた。なんとなくレモンティーを買った。百圓である。安い。來てよかった、ウイーン。(愛してる、
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