うらなりの双眸/
あらい
己を剥がすような、画面越しに現れては消える、
うたかたのようなかたち
その世界を映し出す水晶体
我々は美しい球体に見合おうとする
いまにして思えば
手の内で転がるビー玉のイロハなど
玩ばれて喘いでいるにすぎない
水槽の内側で魂の色を塗り潰し、塞がれていった、
過去、
その瞳はただただ凡庸に映し出している
空理も天道もない因果も道筋も消えた永久のキネマとして
そんなだれかが描き落としたツキモノものだろうが
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