blue/
ミナト 螢
雨は降らないから
マニキュアを塗る
誰にも見せない爪を
どこまで研ぐべきか
痛々しくても
一日が終わるまでに
新しい人になりたい
青い爪を乾かして
今日初めて
空を見たような
部屋の中で
時計の針の音が
心を縫い付ける
こんな夜に
読みたい本が
ないなんて
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