星の筺/秋葉竹
 
って苦しかったわけでもないし
なにも
欲せず諦めてしまったわけでもない

すこし、だけ、
無表情な宇宙が
私にまなざしを
送ってくれたと
そういう気がしたけど、

これは、
勘違い、かな?

その夜、

新しいじぶんの夢の色を知ったんだ。

夜空を
乱れ
散らばりながら
羽ばたいている星たちの瞬きを

それが
たとえば夢であったのなら
たとえばもう一度
あの頃にみた
星の筺を
みせてほしいと想うんだ

たとえばそのあとのことはかまわない

それが
星の筺をみられる最後の夜になるとしても
それが
夜の街に架かる
夢の中の虹色だったとしても。

そんな星の筺を
みせておくれ、よ
星をみるために、
生きている、
夜に憧れる、蒼い、夜に。





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