希求/秋葉竹
シオン、
って星の砂を
ひと握りでいい、
この胸にかけて欲しいのです
だって、
歌をうたいたいからです
歌を、
うたいたいわけがあるからです
きっと、
梅田の「水中翼船」で
5時間も君を待った
スマホも
ケータイさえ持ってなかった過去の
僕の、
君を大好きな気持ちのなかに
きっと、
シオンの砂の
ひと粒くらい
まざっていたと思うのです
でもだから、
僕のからっぽの心には
君のやさしいまなざしと
君のあどけない微笑みと
君の狡猾で純真な生身が
溶けこんでしまって
いまは
死ぬまでいっしょに過ごしたい
そんな不遜
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