希求/秋葉竹
 
  

シオン、
って星の砂を
ひと握りでいい、
この胸にかけて欲しいのです

だって、
歌をうたいたいからです

歌を、
うたいたいわけがあるからです


きっと、
梅田の「水中翼船」で
5時間も君を待った
スマホも
ケータイさえ持ってなかった過去の
僕の、
君を大好きな気持ちのなかに
きっと、
シオンの砂の
ひと粒くらい
まざっていたと思うのです

でもだから、
僕のからっぽの心には
君のやさしいまなざしと
君のあどけない微笑みと
君の狡猾で純真な生身が
溶けこんでしまって
いまは
死ぬまでいっしょに過ごしたい

そんな不遜
[次のページ]
戻る   Point(1)