希望のうた/秋葉竹
 


ひからびて
地面に寝そべっている
いまにも死にそうな
一本の草があった

昼は暑くて日影を欲し
夜は寒くて凍えそうな

笑えない、
希望がない、
生きることさえできない、
ような
運命に
抗えない
草が一本、あった


初めてそれをみたとき
心が痛んだのは
ただの同情とか憐れみとか
そんな気持ちだったかもしれない
でも、
心の傷口から
ドクドクと血が流れてゆくのを
知ったとき
その草が
私そのものなんだとはっきりとわかった


もっと
生きるための
光を浴びていられるように
もっと
生きるためには
水を飲まねばならな
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