詩の日めくり 二〇二二年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
二〇二二年二月一日 「たくさんのぼく」


 ぼくはたくさんのぼくからなっていて、なにごとかを言ったりしたりするときには、そのたくさんのぼくの同意のもとで行われており、ときには少数のぼくの見解を無視していることもある。むかしから確固たる自我などないと思っていたのである。


二〇二二年二月二日 「淫獣の幻影」


 もう安くならないだろうと思って、先月、Amazon でネット古書店で、2000円ちょっとで買った、ファーマーの『淫獣の幻影』が、いま見たら、271円で買えることを知った。状態のいいものでも、1000円だった。古書の値段は、ほんとにわからない。

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