冬の花火/佐白光
 

 ゴールテープを切り裂いた秋に

 侵略を開始する冬の走り

 季節は時間の後押しで

 永遠に巡ってくるけれども

 心に叩き込まれた想いを残す

 一生に一度の秋がある

 燃える体と魂の影で夏が走り去ってゆく

 オレンジの壁に埋まる夕日を見送り

 収まらない動揺を整理して

 季節に使いきれなかった

 線香花火に命を灯す

 
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