虚空/
あらい
揺さぶられたのだ、
伽藍堂の駅舎に楽譜が鳴る、
碧く澄み亘るばかりの鼻歌に口裏を合わせて罠にかかるような、
いつもの嘘を重ねた。
でっちあげられた風の便りをうぬぼれにも着込んで
そんなこともあったのかねと、ぬけぬけとしらを切る
青い鳥なんてどこにいっても存在理由もないけれども、
小さな鳥籠に火を灯して、大事に抱えている。
其の日、スラウチ・ハット(女優帽)は、
旅人に為るために影狼が死んだと、云う。
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