衣替え/
ミナト 螢
洋服は
長袖を着たけど
心はどこにも仕舞えない
光に晒されて
その瞬間は
頬が緩んだ
綺麗なものの側にいたい
例えば金木犀
むせ返るような甘い香りが
降り注いで
立ち止まっていた時間に
針を差す
心はひとつしかないはずがない
いつも分裂しながら
背が伸びるから
裸のままで良い
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