透明な歌/
ミナト 螢
この声が
君に届く頃
飛行機は
南の空を飛ぶ
窓の外を見つめたら
僕の歌が
聴こえるように
枯れ葉は揺れないで
君がいて
僕がいて
空の穴に
手を伸ばしたり
透明だと思っていた林檎が
青ざめた兎みたいに
走って走って
その耳を尖らせた
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