魂のプロセス/ひだかたけし
 
躍動するこの魂は
年若くして老いた魂を後にし
悦楽に浸った青い春を
遥か飛び越え
美しさと残酷のセカイの深みへと
闇に包まれ入っていく

とおい、とおい
遠いよ
澄んで湧き出る泉の底は
底無しに伸びる思考の糸
観念ではなく直観が掴み
探る、探る、闇を追い落とし

虚無があった
孤立があった
恐怖があった
雨が降り続けた

何度でも、何回でも
貴女を追うよ
この魂の衝動が
平静と確信に変わるまで
静かな歓びが成就するまで
思考の糸を探って探って
独り無音の階段を昇って昇って

私は今、此処にいる
忍耐だけで肉の終焉を待つつもりはない

音楽が鳴っている、天体音楽が
とおい、とおい、遠い
模索し感じ入り響き渡る思考の糸

ゆっくりいそいで掴んでいく
逃れる貴女を、底無しの泉を、切迫する闇を

肉の苦痛を溶かして、続く哀しみを開放して


なんてとおくおくまでのびていく声だろう











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