地球の昼休み/岡部淳太郎
 
私はもしかしたら人ではないのかもしれない
人と人の間に存在を許されるのが人間というものならば
私は人間ではないのかもしれない
私は人と人との関係性の中で生きてはいないのだから
それならば私はいったい何者なのか
私は神
私は天使
私は堕天使
私は幽霊 限りなく存在の希薄な
それとも私は機械
管の中に液体を通すだけの 動く機械

誰かが私を
非国民と呼ぶかもしれない
人非人と呼ぶかもしれない
だが私は彼等がそう呼ぶのにまかせて
何もしない
何しろ私は人ではないのだから
何もしないこと
それが私の特技
私は何もしない ただ眺める
そして離れてゆく
私は離れてゆ
[次のページ]
戻る   Point(2)