真夏のアイツ/
坂本瞳子
ギラギラした太陽みたいなアイツは
なぜか憎めなかった
タバコは吸うし
ツバは吐くし
悪態つく上に
言葉も汚い
薄汚れたシャツに
皺だらけの半ズボン
サンダルにサングラス
かっこよさの欠片も見当たらないけれど
汗の雫が鱗みたいに光るんだ
あの夏は遠い昔だけれども
死んだ魚のような目をしたアイツが
忘れられないんだいつまでも
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