りんご/
はるな
ひと山いくらのりんごから
いちばん赤いのをみがいて
光らせて持ち帰る
夕暮れに
朝焼けに
割れるような喪失を持ちながら
生活のすみずみを拭き上げる
その割れが
ひとかけらが
どこにあろうとも知らんふりをして
赤い実をむく
不恰好に
日々をたいらげる
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