ファイブ/望月 ゆき
 
わたしだけのあなたにする
別の方法を
あなたが教えてくれたら、よかった


夜更けからの5時間にあなたがくれるもの
を、わたしは
朝の温度と同じスピードで
いつも、殺した
死にきれない細胞たちだけが
わたしの体温を維持して
また、夜を待つためだけに
呼吸を促し
わたしを、生かす


そのうち、わたし、あなたを殺すかもしれない、


首にかけた手の、親指に、力をこめてみる
すりガラス越しのネオンを、ナイフに反射させてみる
そんなわたしを見せても
笑いながら、なお
いっそう悶えるだけのあなただった
ので
わたしは、いつまでたっても
手持ちぶさたを終え
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