おぼろ/あらい
 
ひとつひとつ綺麗に刈り取られた満月の
黄金色の 子のキミの 
花も実もない雑草の名など
どうでもいいことだけれども

そのあたまだけ齧り、
すこし頂けるとするならば
秋の音も、すこしは
口を紡ぐだろか
その腹の中で、喉を鳴らした、
鵺の影形も沃ぐだろか

成り行きばかりの雲間に振れる
解れた糸のなんとやら
どうにもならない あわれいとしき
そのすがたをなにと見る
そのうつくしき営みに痙れ
宵も痴れよう、蘇は現し世と添え

闇夜に浮かぶ、なにかしら
自らを照らす、なにかしら
風に戦ぐはなんとやら
数多流れる星のまにまに
約束などもありませぬ
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