花唄/ミナト 螢
 
僕が指を差した花に
君が名前を付ける

花は揺れながら
頷いたり
首を傾げたり

調べれば分かることも
そのままにして
柔らかい君の声が
聞きたかっただけ

この道の先で
いつか花がなくなったら

見渡す限りの空に
君を指差して
僕にしか言えない
名前がある
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