8月31日/ミナト 螢
 
街から消えた人たちが
泳ぎ疲れた目で
空を見る

時間も言葉も
自由だったから

今日までは
使えた魔法が
明日からは
使えなくなる

その寂しさを
逃すために
僕等は眠り
夏と別れる

あの花火も
誰かのうなじが
綺麗に見せた

薄れていく意識の中で
夜の始まりに
カーテンを閉める
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