あや/あらい
心模様は
ゆったりと落ちて
貼られた桟橋から
ガラクタが投げ出された
でっぷりとしたぬいぐるみの釦を眺める
垂れ下がった鍵は
なみなみと
一つの舟が流されていった
澱んだ暗闇が訪れることはない
それでも艶めかしさを、故人として黄昏れる
一オクターブの凡てが途絶えたあとに残された
路上に、だらしなく生かされている
傾斜に倒れ込んだ横顔はわたしとあなたを置いて
なお地表に太陽と月が混在する
ばらばらになったビーズの
ひとつひとつに名をピンどめする
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