blooming underground/ホロウ・シカエルボク
蒼褪めた雪が、赤茶けた地面に降り積もる、俺は、穿たれた穴だらけの腕を肩からぶら下げて、夏のような、冬のような世界を彷徨っている、まどろみが居座った脳髄は、もう、長いこと、濁った、湖のようで…もしかしたらそこでなにかが生きているのかもしれないといった、泡が、ときおり水面で破裂する、その、細やかさの割に、音は、とても大きい、世界は、薄っぺらの紙みたいなもので、俺の存在はいつだって、確かだったことなどない―歪んで、ノイズだらけで、妙に、澄んでいる…澄み渡っている、狂気がただ狂っているだけだなんて思ってはいないだろうか?突き抜けた狂気は純粋と同じものだ、そうは思わないか、俺の魂には、いつだって
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