目眩冬扇/あらい
 
。     ひととき
臆病な印字であろう『ユキ』とずんどう/罪を重ねた、あくまで
  易しさと訳された青い鳥は意志薄弱と付け落としたものだが
  移り気な紫陽花を腐らせた永久は荷を下ろしたとも思われる
黄色い模造紙に指を絡ませた隠し子は繭に顰め愚かだと介錯され

いつまでもちいさな鎖に繋がれた此の先には夜桜、あり、きたり
                        ――さらう
無地の手袋に狂気を燃やしたベニバナの目覚めを嗅ぐ
紐解かれる――
静寂 テレビン油 街灯の下、見逃したこの水晶のあいだは、鞴
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