町のスーパー/
山人
盆の晩夏に浮かんだ重い雲の隙間から
かすかな青い空が
ひかえめにのぞいていた
いたるところに停車された鉄の馬たち
それぞれが夏の欠片をカートに入れて
手綱を引いていた
盆は静かに終わりをむかえ
ひっそりとオトシブミの編む葉のように
丸まりかけている
散っていった蜘蛛の子たちを
送る日も過ぎて
その、さびしさをごまかすように
町のスーパーは
まだ
にぎわっていた
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