森の、大蛞蝓/山人
 
ものを考えるでもなく
大蛞蝓はその巨体を
枯れ枝の端に押し付けて
ひたすらに森と同化していた
憂いを持つこともなく
怪しいぬめりだけが
土の上にこびりつけてある
腐食した木の汁を飲んで
森を無機質にしている
物語りを求めず
一本の実直な
虚無で出来た体を少し動かす

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