詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
いつもりだ。いつかまた、読み直すときがくるかもしれないからである。
あしたは精神科医院に行く日。毎日のように下痢なので、下痢止めも処方してもらおう。
二〇二一年六月二十一日 「あちらの世界」
東欧SF傑作集』の上巻の7作目は、アダム・ヴィシニェフスキ=スネルグの「あちらの世界」一秒対3時間の時間の比で移動する主人公。まわりの世界は止まったように見える。自分が動くのは、まるで水銀のなかを動くような粘性の強い物質のなかを動く感じがする。光線銃を持った新兵がいたが、もとのところに戻ると消えていた。
8作目は、カリンティ・フリジェシュの「時代の子」タイムマシンで148
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