詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
マーの『デイワールド』おもしろかったけれど、結末はよくないと思った。1週間の曜日ごとに、ただひとつの曜日だけ起きて生活し、ほかの曜日は、固定器という装置で眠らされている世界が舞台。主人公は決められた曜日以外にも起きている、掟破りで、なおかつイマーという不老不死の集団に属している。人口が多いからという理由で、曜日ごとに起きている人間の数を限定していたというところがおもしろい設定だったが、そこに秘密結社の不老不死の組織をからめたのもよかった。そのことに気がついた警察官が主人公を追い詰めるというものだったが、警察にもイマーの連中がいて、という複雑な設定だった。

 きょうから寝るまえの読書は、フィリ
[次のページ]
戻る   Point(12)