赦してください/
 
今、私は窓を見上げて

あの時と同じ雲の流れを見てる

積乱雲は夏の雨を呼んで

ふと蝉の声が薄くなっていく


何年の時が経ったのだろう

鮮やかな命の傷みを刻んで

あの夏の川縁で分かち合った

その奇蹟を生きる糧としながら


幾つもの袖に触れてきた

切なさはその度に涙を生む

私はまだ前に足を運んでいる

次の逢瀬で互いの今を愛すために


時々それでもふと思い出す

私の弱さを赦してください

生きるために必要な景色が

夏の宵闇に縁取られたのだから
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