エンドロール/佐白光
 

 絶妙なメロディーとともに

 無機質に流れてゆく文字の羅列に

 胸騒ぎが沈んでゆく

 興奮と感動の余韻に浸りながら

 主人公の名前を追いかければ

 場内もざわつき出し

 足元を見つめて席を立つ

 振り返ることもなく

 思いだそうとしなくても

 エンドロールのメロディーは

 囁き続ける

 

 
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