こんな風の強い日に/秋葉竹
なにをしているのか
わからないままに
なにかをしなくてはと
胸を掻き毟る
けれどそんな焦りとは無関係に
街は動き時は進んでいる
遠くに濃い緑の山がみえて
その上を細い雲が流れてゆく
郵便ポストの下には
出せなかった手紙の亡骸が揺れて
公園のブランコは
風に漕がれて喜んで身をよじる
坂を下る自転車に乗る
子どものすこし得意げな笑顔
べつに
わからないままに
生きても
ダメなわけではない
わからないなら
わからないままで
それでもみえるものを
ちゃんとみて
それが正しくなくても
すべてを知らなくても
べつに
生きていっても
いいんだと
想った
こんな風の強い日に
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