マツゲのハナシ/nomica
いか
右を見て、左を見て、また
右を見て、
考え事をたくさんしていると、
いつのまにやら、しらない町に
たどり着いてしまっただけだ
帰り道は分からないけど、
北極星をたどればどこかにつくはず
涙は睫の先で揺れなかった
あくびをしたら視界をにじませて
上瞼を上手に伝って
つろろろろぽろりと目頭からこぼれた
涙は出たけれど悲しいわけではない
睫がないのは悲しい事じゃない
ただわすれものをしたことを
わすれてしまうような
そんなかんじなだけだ
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