マツゲのハナシ/nomica
 
いか

右を見て、左を見て、また
右を見て、

考え事をたくさんしていると、
いつのまにやら、しらない町に
たどり着いてしまっただけだ
帰り道は分からないけど、
北極星をたどればどこかにつくはず
涙は睫の先で揺れなかった
あくびをしたら視界をにじませて
上瞼を上手に伝って
つろろろろぽろりと目頭からこぼれた
涙は出たけれど悲しいわけではない
睫がないのは悲しい事じゃない
ただわすれものをしたことを
わすれてしまうような
そんなかんじなだけだ
戻る   Point(2)