詩の日めくり 二〇二一年四月一日─三十一日/田中宏輔
二〇二一年四月七日 「インキーに詫(わ)びる」
さいごの9作目は、ロバート・M・グリーン・ジュニアの「インキーに詫(わ)びる」いったい何を読んでいるのか皆目わからずにさいごまで読んだ。文学的ではあるが、SF的ではなかった。編者は秀作と書いているが、ぼくには秀作ではなかった。でも、わからずじまいっていうのが、ぼくには悔しいから、もう一度、読んでみる。いったい何を読んでいたのか、知りたいっていう気持ちからも。だけど、もう一度、読んだけれど、やっぱりわからない。男が二十年ぶりに故郷に帰って、当時付き合っていた女性に求婚する話だけれど、この男が幻覚をしょっちゅう見るせいで物語が明
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