詩の日めくり 二〇二一年四月一日─三十一日/田中宏輔
四月十三日 「これも、ひとつの発見、ひとつの詩だった。」
ぼくはカヴァーをはずして本を読むんだけど、枕元に置いてあった、きのう寝るまえに読んでた『この地獄の片隅に』の扉がちょっと浮いてて、寝ぼけまなこで見た、その影が茶色だったことに気がついた。これも、ひとつの発見、ひとつの詩だった。
二〇二一年四月十四日 「外傷ポッド」
6作目は、アレステア・レナルズの「外傷ポッド」戦闘中に負傷した兵士を収納するポッドがあって、そのポッドに収容された軍人が主人公だったが、おわりのほうで表現主体がポッド自身に入れ替わるというアクロバティックな構成をした佳作である。これぞSFという感
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)