猛暑 UからYへ/うめバア
窓の外は夏
見つからないのだそうだ
あの日、Aの身体を貫いた
一発の銃弾が、どうしても
Aの体の中にもなかったのそうだ
本当に、隅々まで、探したの?
Aの体の中に入って
奥の奥の、見知らぬ通路も、埋もれた記憶の山も
ちゃんとかき分けて見たの?
もしかして
机に積まれた書類の中から、どさくさ紛れに
アレに関する事実が出てきたりはしなかった?
Yを極刑にするなとの署名と
それに憤る声
生い立ちが悲しくたって
理由にはならない
Yこそは組織の1人
やっぱりあれは敵
擁護なんてとんでもない
あの場には、実は別の狙撃犯もいた
ほら、この映像でそ
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