引き裂かれる UからYへ/うめバア
 
これは
民主主義への挑戦である
違う
これは
私怨である

Aガー、Aガー
といっていたのは
Yではなかった

Aは撃たれた
Yによって

Yは、Aを
評価もしていたし
自らを、ネトウヨとも捉えていた
だが最後には撃った

Uは
暴力が嫌いだ
少なくとも
そう思っていた

Yの銃撃を知るまでは

しかしいや、見てみれば
Uは
繰り返し再生している
Yの銃撃の瞬間を

いかなる理由があっても暴力は許されない
そうではなかったか?

母で、ソーシャルワーカーで、物書きで、詩人
そんなUが
また、再生している
ワイドショーに釘付けになり
YouTubeで同じ動画を検索する

消されても、消されても
また浮き上がるデジタルタトゥー

自作の銃を
握る手
意志を持った腕
「システム」への攻撃を
倒れる様を
爆音に痺れる

そして
引き裂かれる、再び拾い上げる
使い古しのピンバッジ
いかなる理由があろうとも暴力は許されない
免罪符のように

引き裂かれる
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