予感/あらい
 

水中花とは、錯綜した丸腰の禿鷹や、と食い下がり、繁く
「おやめなさって。」
入場券をなくした寝言では、恋人にもなれずに 至れずに窓際に
火葬場にも重力を掲げ、飲み屋街に網を仕掛ける、あれは水?(やご)の末裔
その日の水銀燈がみた あしの開かれた空蝉がぽつりぽつりと
ひきづられた明後日のそれは、積み重ねた今日ではないの
(昨夜の深雪は漏斗には通らないようだ)
たぶん きっと、膨らみ過ぎた風船は破裂する
(咲きかけた油膜の、コンクリートの虹のせい)その粃(しいな)
戻る   Point(0)