夏の香り/
ミナト 螢
渋滞を抜けると
森の中
心が戻りたくなる場所
ひとりで
調律した楽器を
鳴らしてみたい
石はそこで眠り
水は時を知らせ
客は足を濡らす
持ち込んだ熱が冷めて
木々の香りが
鼻をくすぐると
振り返る人もなく
夜に枕を渡そうとした
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