夢の犬/秋葉竹
 


休日の朝のホームを
滑り出した車窓から
照り返しの陽光みたいな
白い自販機がみえる

どこへゆくあてもなく
私を待つ人もなく
とてもよく似た子犬を
静かな夢の部屋に置き去りに

なぜかこんな時間の無駄使いを
しているけれど
持つべきものは友、であり
信じるべき方は神、であるのだろうが

友、ひとり持たず
みたこともない神を
信じられるほどの嘘つきでもない

なんてちょっと早いかな

ほんとうはわかってんだ

オレンジ色の車体は
透きとおる赤い朝日を浴びて
ゆっくりと人の少ない土地へ
私を連れていってくれる

人には
もううんざ
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