夏の始まり/
ちぇりこ。
お会計はコチラでどうぞ(ニッコリ)」
傘を忘れた日に限って雨が止みそうも無い、何時までも軒先で躊躇しているような足下を猫が、カエルが、カタツムリが、あ、どうぞお先に(あの人らは傘が無くても平気なんだ)
雨はいつか止むのだろう、雨上がりのお日様が顔を覗かせるその一瞬、鞄の中の折り畳み傘の存在に気付いてしまう
まあ、良いか、で済ませているぼくの隣でニイニイゼミの羽化が始まり、夏が胴体着陸をキメている
そんな夏の始まり
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