神は悪魔であり、その逆も然り。/ホロウ・シカエルボク
俺はお前の血を受け、とある海の近くの工業地帯を流れる小さな河川で身を清めた、それでお前は溶け入って闇のものとなり、姿のないものとなった、それでも俺がお前を見失うことなどなかったし、お前もそのことは知っていた、俺たちはそうして何百年もの時を屠り、人間の変容と進化を見続けた、進化、といってもそれは言わば周辺機器のようなものについてで、人間そのものはほとんどがひたすら変化していくだけだった、世界、社会、コミュニティ、彼らは動物のように群れて安堵することに慣れ過ぎたのだ、考えないものは衰えていく、どこの、どんな生きものだってそうだ、進化とは、「こんな風に出来ないか」という些細な思い付きから芽吹く巨大な
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