この世はどうあろうか、などと/二宮和樹
ありたけの身の上話
眉をひそめる輩
残念にして私のあながちな心をば
理解するのに難くあり
さしもさしもの行方知れずな恋など
てやんでいなどと啖呵を切ったり
羽目を外した怒涛の進撃
さしもの数多も旅路の隘路
ようやくにして行き着くは
成れの果ての懸命なるおとど達
何がなくても我が身を隠し
何がなくてもおどおどと首を傾げる
不貞奴らに定めなどなし
あに伝うるは
時代における賢しらだった初宿の君達
果たして獲物などと思うなかれ
さあ、のっぴきならない世の中のそれは
如何に生きようとも卑賤なるを知るものは知る
得てして世は太平に向かう宴の日々
そうしておいても
我は我を知らぬものなく
世にいう俗なる世間の風など
どこぞにあろうか
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