走り続ける、ボクたちは/坂本瞳子
 
逃げ出したかった

額に顕になった汗の粒を
見られたくなかったから

だるかったけれど
暑かったけれど
走り出してしまった

もう止まることなんて
できなかった

白いスニーカーの右足が
脱げてしまったけれど
どうにも止められなかった

だから
走り続けてしまったんだ
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