世界の総てを知っているように/初代ドリンク嬢
私の腋が臭いのは
あなたのせいじゃないのよ
あなたの腋が臭いのは
私のせいじゃないのよ
ねえ、
そうでしょ、
そうでしょ
足の形がいびつなことだって
うっすら頭がはげているのだって
私、知っているわ
背中の体毛が濃いことだって
実は水虫だってことも
あなたは知ってる
それって素晴らしいこと
だって
それでも私はあなたが好き
それでもあなたは私を好き
ああ
なんて素晴らしいことなのかしら!
知っている
世の中の誰も知らないのに
いつでもわたしたちは知っているのよ
全部!
それだけで十分じゃない?
ねえ、
そうでしょ!
ねえ、だから
キスして
あなたの口臭がひどいことなんて
小さなことよ
私の髪が野良犬臭くっても
たいしたことじゃないわ
さあ、
だからキスして
いっぱい
わたしたちは知っている
知っているのよ!
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