モブ/キリコ
軍配はあがりません。
あがらせてなるものかくらいの意気でいたいですね。
ぼりぼりと右手首の付け根を掻きながら
彼は思いのほか繊細な声で言った。聞き取りずれえってことです。意図は正しく伝わらずに、
へへへへぇっ、て、彼、なまぬるく笑った。
地獄だ。
昇降口付近で僕たちはたむろします。
大概誰においても邪魔な場所なのでいい顔はされないです。
とはいえ、存在が抑止力になることもありません。
(左耳たぶをぎゅっぎゅぎゅっぎゅつかむ)
でも、居続けます。います。
そんくらいの域でいたい。
(つかんだまま、指をこすらせながら、ひねる、
あ。
ちがうんです。
かゆい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)